強襲のG

 
Gの脅威でもいい、できるだけその要素を省くよう手段を講じてきたはずだった。
 
しかし!
 
ついに奴が現れてしまった。
 
その突破を許してしまったのはユニットバス。
 
ある朝。
 
サルノコシカケのように腰を下ろしてたとき、ふと目に入った洗面所の排水管付近。
 
かさかさ。
 
音はしない、が、目だけでその音を感じた、気がした。
 
それはこちらからの声を奪っていった瞬間でもあった。
 
これが居城を落とされた城主の心境なのだろうか。
 
安寧の場所を奪われた瞬間でもあった。
 
 
 
とかなんとか言ってもどうにもならんので、対策をほどこす。
ホイホイかホイホイか。 
 
見るのも嫌だった。
 
見えないところで永遠の眠りについてくれるなら何でもいいや、そう、君に決めた。
ホウ酸団子。
 
カインズブランドのフマキラー製造のを購入。
早速設置。
 
ナニコレ、意外といい匂いするなあ。
オレがつられても仕方ない。
 
落とされた城を奪取するために立ち上がる。
 
あ。
 
いやがった。
オレの気持ちは一気に萎えた。
 
そっと開け放った扉をしめる。
 
わけにいかんので、恐る恐るホウ酸団子を設置。
さすが売り物。
プラスチック容器にコンパクトに収まったそれは腰が引けていても簡単に設置完了。
 
エサとしては十分。
奴は認識していたはずだ。
 
それから数時間。
 
戦いは、どうなったんだろう?
戦果はガラスオブハートのくだけちった状態では確認するすべがない・・・
 
もうこれ、ぜってい他所から回ってきたやつだぞ。
だってこっちのキッチンまわりは問題ないしさ。
あーくそ、めんどくせーな。
 
効果高そうなホウ酸団子なんでこれで片付きゃ万々歳だがね。
 
スプレータイプ?
 
ふっ、オレに命を奪うだけの引き金をひく考えはないんだよ。